【資料リリース】改正健康増進法の施行に向けて

2018年7月に受動喫煙対策を強化する「改正健康増進法」が成立し、2020年4月1日より全面施行されます。
施設によって喫煙できるスペースが限られる、もしくは全面禁煙の徹底など、
東京五輪・パラリンピックに向けて禁煙対策が進められています。
現在の喫煙率データから法改正の詳細、人材採用への影響までまとめた資料をリリースいたします。

「改正健康増進法」とは?
以下3点を目的とし、定められました。①望まない受動喫煙をなくすため
受動喫煙でも身体への影響がある一方で、喫煙者も一定数います。
建物内において、受動喫煙を望んでいない人が受動喫煙にさらされないようにすることが、改正健康増進法の趣旨のひとつです。②受動喫煙による健康への影響が大きい子どもや病気を抱えている人へ特に配慮をする
喫煙が法律で許されていない20歳未満の子どもや病気を抱えている人が
主に利用する施設や屋外については、受動喫煙対策をより徹底して行う、としています。

③施設の種類や場所ごとに受動喫煙対策を実施する
施設の種類や場所ごとに禁煙措置を行い、喫煙場所を決めて掲示することが義務付けられます。
経営規模が小さい事業者によって運営されている場所は、事業が続けられることに配慮して必要な措置が取られることになります。

「改正健康増進法の施行に向けて」資料リリース!

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法改正の背景|東京五輪・パラリンピックの開催に向けて
近年のオリンピックが開催された都市では受動喫煙防止対策が徹底されてきました。
これまでのオリンピック・パラリンピックの開催都市を見ると、
●2008年の中国(北京)
●2012年のイギリス(ロンドン)
●2016年のブラジル(リオデジャネイロ)
●2024年のフランス(パリ)
いずれも、飲食店やホテルでの屋内禁煙が法で禁じられています(北京は喫煙室設置可)。
全世界で見ると、公的な場所の屋内を全面禁煙としている国は、55カ国(2016年時点)にも及びます。

競技会場だけでなく、飲食店などの屋内施設も全面禁煙にする、罰則付き受動喫煙防止法が施行されているのが慣例です。
日本の受動喫煙対策はその遅れから、世界保健機関(WHO)より「世界最低レベル」と指摘されています。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、禁煙対策を進めるため定められました。

具体的な法改正の内容|施設によってルールが定められます

第一種施設は敷地内禁煙 ※2019年7月施行
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<該当施設>
・病院
・学校
・児童福祉施設
・行政機関の庁舎 など

第二種施設は原則屋内禁煙 ※2020年4月施行
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<該当施設>
・ホテル
・飲食店
・電車
・工場
・旅客運送用事業船舶
・事務所
・国会、裁判所 等

|既存の経営規模の小さな飲食店

喫煙可能な場所である旨を掲示することにより、店内で喫煙可能
①喫煙可能な場所である旨の掲示を義務付け
②客・従業員ともに20歳未満は立ち入れない

喫煙目的施設は施設内で喫煙可能 ※2020年4月施行
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<該当施設>
・喫煙を主目的とするバー・スナック
・店内で喫煙可能なたばこ販売店
・公衆喫煙所 等

日本の喫煙率|喫煙者、どんどん減ってきているんです

喫煙習慣者の年次推移(性別)(%)

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喫煙習慣者は全体平均で男性約3割、女性は1割以下です。
喫煙率は年々減少しており、1989年(平成元年)は55.3%であった男性の喫煙率も、
2017年には半数近くまで下がり30%を切る29.4%。
2人に1人の男性は喫煙者であった昭和の終わり~平成のはじめに比較し、平成の終わりには1/3を切る状況。

喫煙習慣者の年次推移(男性・年齢別)(%)

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30代の喫煙率は平成元年には65.4%、40代は59.5%でしたが、
2017年にはどちらも40%を切っています。
また、20~50代全体で2017年は喫煙率が減少しています。

喫煙習慣者の年次推移(女性・年齢別)(%)

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20代の喫煙習慣者が2015年に急激に下がり、その後漸減しています。
ただ、高齢化に伴い60代・70代以上は増加しています。

●参考
厚生労働省の最新たばこ情報
成人喫煙率(厚生労働省国民健康栄養調査)
http://www.health-net.or.jp/tobacco/product/pd100000.html

企業の取り組み

ロイヤルホスト
2013年に全国228店舗の全面禁煙を実施しました。
全面禁煙実施までの客層は、喫煙習慣のあるビジネスパーソンが多く、当初は売上が落ちたものの、
週末は家族連れが増え、平日は主婦やシニア層など非喫煙者が増えて3か月ほどで利益は回復しました。

サイゼリヤ
国内1,085店舗を展開するサイゼリヤは、2018年の7月21日から
全国のショッピングセンターに入っている275店舗と京都府内の23店舗から全面禁煙化を開始しました。
今後は段階的に進めていき、2019年の9月までには全店舗に広める計画です。

ココス
全国に583店舗を展開しているうち、すでに167店舗を終日全席禁煙にしています。
現在一部禁煙としている416店舗も2019年9月までに全面禁煙に切り替えると発表しています。
ココスはかねてから分煙を実施してきたのですが、子連れのお客様から
全席禁煙を望む声が高まり、終日全席禁煙に踏み切ったといいます。

串カツ田中
2018年6月1日からほぼ全店舗に対して全席禁煙としました。
現状居酒屋チェーンでは、一部の店舗や首都圏中心に全席禁煙としている店舗が多い中、
ほぼ全店で禁煙化するのは居酒屋チェーンでは初となります。
一部店舗は階に応じて喫煙・禁煙を分けるフロア分煙化を行うそうです。